このごろの初夏と梅雨の繰り返しで、気づかないうち草花もあれよあれよと背をのばしています。
駅につづく長い坂道にある枇杷(びわ)の木も、しずかに実をつけていました。
枇杷は好きな木の一つで、
こどものころ、家で育てていた枇杷にできる実を食べるのが楽しみだったので、美味しい記憶がそのまま、食べることが少なくなった今も、「枇杷」=「美味しい」で、好きなものと印象づいている気がします。
「枇杷の木」をみて「美味しい」みたいに、道すがら、目についたものを言葉にしながら歩くことがあります。
そのままの情報や、心象をキーワードにしたり、別の印象に置き換えたり。
枇杷の木、シャーベット、毒、ちょっとだけ甘い、楽器、成長早い、初夏、、、
大げさにいえば、アレやコレをビジュアルにして変換していく、デザインという仕事の稽古みたいなものですが
通りすがりにすれ違った人たちの中には、
独り言をつぶやいて歩いているわたしと、夏の暑さ、長い坂道を、こわごわ、ひもづけて頭を振っているかもしれません。
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7月、8月のカレンダーは、わたしと同業の妻にお願いしました。
グラフィックもWEBもプロダクトも手がける柔軟なデザイナーで、イラストレーションもユニークな視点をもっている心強いバートナーです。
以前は、わずかに教える立場でしたが、
このところは、こちらがデザインのアドバイスをおうかがいするばかりです。